ウミヘビの毒に含まれる未知の成分
 エラブウミヘビの薬効は、一匹当たり10〜15gしかないという「脂肪袋」に貯蔵された油にもとづきます。この油にはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)をはじめとして、ビタミンA・D・Eや必須アミノ酸、ミネラルなどが豊富に含まれています。
 EPA、DHAはともに@血小板の凝集を抑え血管の中で血液の固まるのを防いだり、A赤血球などの血球成分の幕を柔らかく形を柔軟にし毛細血管を通過させやすくすることで、血液循環を改善します。血管壁に対してはコレステロールや中性脂肪が付着することを防ぎ動脈硬化を予防します。それらの結果として高血圧や心筋梗塞・脳梗塞の発生率を低くします。さらにDHAは、EPAとは異なり脳や網膜にも取り込まれるため、脳細胞の活性化、記憶などの学習能力の向上、脳出血・脳梗塞の後遺症の軽減、疲れ目・かすみ目の予防などの効果を持っています。
 ビタミンDはカルシウムが血中に吸収される時に必要なものです。エラブウミヘビの油にはサバ・イワシなどの青魚の約2倍ものビタミンDが含まれていますので、骨粗しょう症の予防・治療に有用です。
 ビタミンEは抗酸化物質として知られています。体内の脂肪・脂肪酸は呼吸によって取りこまれてくる酸素によって酸化され過酸化脂質に変化されますが、これは動脈硬化を引き起こしたり細胞機能を障害し老化の原因となります。ビタミンEは酸化を抑制することでそれらの進行を遅らせます。ビタミンAは夜盲症を防ぐと共に、皮膚・粘膜細胞の角質化や乾燥化を防ぎその老化を抑えます。
 以上のような薬効以外に体力回復効果、更年期障害改善効果、精力増強効果なども見られています。これらは確認されている成分だけでは説明できず、ウミヘビの持つ毒に含まれている未知の成分によるものと推測されています。
 こういった薬効を有するウミヘビの油の投与方法としては皮下注射する方法とカプセルにしたものを内服する方法とがあります。前者は「油針療法」と呼ばれ、先に述べた効果に対してはもちろんですが、ぎっくり腰・五十肩などに対して、その圧痛点や「ツボ」を中心とした皮下に注入するとすばらしい効果が見られます。平成三年に行った3,673人からのアンケート調査では実に81%に有効でした。その多くは他の治療法を長く行ったにもかかわらず痛みが取れなかった人たちですので、効果は非常に高いといえます。痛みや凝りの原因は血流障害のために局所に発痛物質が蓄積してくるためと考えられています。ですから血液循環を改善する作用をもつウミヘビの油が痛みに対して効果があるのでしょう。
 またカプセルの内服は油針療法による効果を長く維持する目的で用いられますので、両者の併用が勧められます。

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